九州の古楽とオルガン

九州で古楽器演奏とオルガンが聴けるコンサート情報を集めています

無伴奏チェロ組曲を聴く

弦楽器工房まつもとさんにて、山本徹さんのバロック・チェロによる、
無伴奏チェロ組曲
制作中や修理中?のヴァイオリンやチェロに囲まれて、30席限定のコンサート。
窓から見える浜の町公園の緑も素晴らしく、耳をすませばの世界みたい!と開演前からワクワク。

以下はチェロを弾く友人のためにメモしたもの。
弦楽器はまったくたしなまないため、聞き違い、勘違いがある場合があります。
話半分でお願いします。

◯松本さんのお話(コンサート冒頭にお話されましたが、最初は席を外しており聞き逃しています)
楽器について
・完全にバロック時代のものと同じではないが、あいだくらいのもの
・指版はメイプルで、象嵌している
 とくに音に影響がある部分ではないが、工芸や美術も栄えたバロックのこだわりとして

◯山本さんのお話
楽器について
・ガット弦はソーセージの外側と同じ羊の腸なので、災害時には非常食になります(笑)
・モダンの楽器と違うところとしては、エンドピンがない。そのため床の振動の影響を受けない
・モダンの弓はいつまでも同じテンションで音が出るが、バロックの弓は新幹線のような形、音が自然に減衰していく
 バロックのようなしゃべる音楽の場合、音が空間にたまっていくと困る
・ヘッドはライオンの彫刻
 人の顔を彫刻することはあまりないが、曲によってはあえてすることもある

1番
・すべての曲を通じて、前奏曲に本編の予告編がある
 最初の4小節のコード進行が後からも出てくる

3番
ハ長調
 チェロの一番下の?開放弦はドの音(C線)なので、ハ長調とは相性がよい

5番
調弦が異なっている(スコルダトゥーラ)A線がラだったのが、ソになり全音下げる
・よくチェロが演奏されたボローニャ地方でよくおこなわれた調弦
 (↑すみません、このへんめちゃあやしい)
・全体的にはフランス風
・イタリアの舞曲とは明らかに異なる

◯演奏後に
調弦を変えることでA線のテンションが下がるので、それまでと同じテンションで弾くと
 音がビヨビヨになるので注意が必要
 また、アンコールのためにまた調弦し直すとさらにテンションのコントロールが難しくなる
 一日に何度もやらないこと
(実際にアンコールで3番から1曲弾かれたため、調弦し直されていましたw)

普段はとっても気さくな山本さんでいらっしゃいますが、演奏時の迫力はやっぱり第一線のプロ演奏家
重音のぐわんぐわんという音が大好きです。
あと、不思議なことに時々、鈴のような、チャイムのような音が同時に聴こえました。
関係者の方のお子様が来られていて、ゲームなどしていたのでそのせいかもしれませんが・・・。

(ここだけの話、狭い空間の中での親子さんの話し声はかなり気になりました。
無伴奏は奏者と聴衆がすごく集中していくコンサートなので、
正直、いくら関係者でもお子様の同席は再考してほしいと思います。
たった1〜2時間、お友達や託児に預けられませんか?)

気になるところもありましたが、福岡でこんな機会が得られたことに感謝です。
工房の音楽会にはまたお邪魔したいと思います。

 

 

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