太陽が似合うバリトン
8月末ですが、大分と福岡、そして東京でもたいへんご活躍なさっている新進気鋭のバリトン歌手、
新見準平さんのリサイタルへ。
お声もですが、器の大きい太陽のようなお人柄が本当に素晴らしいのです。
リサイタルもそのお人柄そのまま、温かい、笑いのたえないものとなりました。
とはいえ選曲はいたって大真面目。
シューマンとシューベルトのドイツ歌曲で幕を開け、地元大分が誇る滝廉太郎の作品、
イタリアとフランス、果てはアルゼンチン、最後はスペインでみんな大好き『闘牛士の歌』!
あっというまに「歌で世界一周」しちゃいました。
対訳(の印刷物)がないと思っていたら、外国語の歌はすべて冒頭にご本人による日本語訳詞朗読がつく、というナイスアイデア。
素晴らしいお声で詩を読んでいただいて、作品をより深く味わうことができました。
前半は緊張の色が見えた新見さんも、曲が進むにつれだんだんほぐれてきて、後半は絶好調だったのでは。
お得意のドイツものはもちろんですが、意外にラテン系の歌はとっても合うと感じました。
ほら、九州って日本のラテン地方ですし。ジプシーキングスとか歌ってほしい・・・(笑)
もちろんそれだけで終わるわけもなく、アンコールで会場中の爆笑を誘い、リサイタルは楽しく幕を閉じたのでした。
新見さんはまさに九州の宝!
これからもますますのご活躍を楽しみにしています。
すこし残念だったのはピアニストさん。
演奏は素晴らしかったのですが、正面を向いてのお辞儀が少なく、ステージマナーがいまひとつ。
共演者にも失礼かと思いますし、ビデオなどで確認されることをおすすめいたします。